初めて渡米したときの話です。
友人とある公園を歩いていたら、ジョギングをしていた親日家のおじいさんが私たちを見かけて足を止めました。
自分の時計も家電も車も日本製だよ、とにこにこと話しかけられて私たちも笑顔で彼と話していたのですが、彼の口から転がり出てきた言葉に困惑してしまいました。
「日本がパールハーバーを奇襲したのは残念だったが、その後でお互いに友好を深めることができた。私は今では日本人が大好きだ。」
彼は私たちを一個の人間としてではなく、日本という国として見ていたのです。
日本が犯した戦争という罪を、戦争を知らない私たちも背負っています。
日本人であるというだけで、その罪から逃れることはできません。
ドイツ人はもっと過酷な運命を背負っています。
ユダヤ人の悲劇は、永遠にドイツ人に重くのしかかっていくでしょう。
私たちは一個人である前に、日本を代表する日本人として見られています。
捕鯨問題がニュースに流れれば、白い眼で見られることがあるかもしれません。
首相の靖国神社参拝問題で、詰問されるかもしれません。
はたまた、醤油に塩分が多く含まれすぎだと、文句を言われるかもしれません(私は言われました;)
そんなときの私たちの言動は、「日本人」の言動として受け取られます。
日本国政府がヘマをしたときは、十分気をつけましょう。
私の始めての海外旅行は、すでに個人旅行でした。
どきどき胸いっぱいの期待と不安を抱えて足を踏み入れたアメリカは、諸手を挙げて歓迎してくれたわけではありません。
知らぬ間にクレジットカードをすられて、真っ青になったり・・・
寝るときにかけたはずなのに、朝起きたらモーテルの部屋の鍵が開いていたり・・・
黄色人種への差別を体験したり・・・
アムトラック(大陸横断鉄道)の中で嫌がらせを受けたり・・・
旅行中に出会った日本人たちとレンタカーを借りて、あわや交通事故になりかけたことも!
いや~、えらい眼に遭いました(笑)
初めてというのは、何をするにしても失敗がつきものですよね?
失敗しなかった人なんて、絶対いないと思います。
しかしこの失敗、回避不可能だったわけではありません。
英語も話せず、その国の勉強もせずに行けば、しっぺ返しが帰ってくるのは当たり前です。
物を失くした程度で済んで、運がよかったと言えます。
もっと怖いことは、たくさんありますからね。