海外に生活する日本人がぶつかる問題を取り上げていますが、旅行者とてそれは同じこと。
教訓を読んで、海外で失敗しないように気をつけましょう。
日本の中では美徳とされる「謙遜」「遠慮」「忍耐」「社交辞令」「曖昧な言い回し」などは、海外では通用しません。しかし日本文化となっているこれらの美徳は、日本人の体に染みついています。
相手が日本文化を理解できない外人にも美徳は披露されるので、日本人の美徳はあちこちで問題を引き起こしているのですが、披露したご本人が気が付いていないことがままあります。
そして、海外で生活し、仕事をすると出てくるのが言葉の壁。多くの人が既に体験しているでしょう。
流暢に話せる人はごくわずかです。そこで出てくる問題に頭を悩ませている方は多いはず。
でも、理解できなかったために起きた問題に気がつかないこともあります。
ここに数件の例を紹介しますので、問題回避に役立ててください。
その一
まだまだ世界を知らなかった頃に、私はアメリカ旅行をしました。
時々親切な人と出会い、会話を交わすことがあったのですが、その中で学校の話が出ました。その時に「学校の成績は良くなくて・・・」と謙遜して言ったら、相手が変な顔をしました。
後で知ったのですが、欧米に謙遜という言葉はないようで、私が本当に学校で悪いと取られたのだと分りました。
教訓:謙遜は絶対するな。むしろ自分をアッピールしろ
その二
商品を選ぶとき、私はよく欲しくない製品の短所を並び立てます。
日本人なら「この人はこれは欲しくないんだな」と理解してくれますが、家族は私にぶち切れます。
関西風に翻訳すると「だから何が言いたいんや?だらだら言わんと欲しい、欲しくない、はっきりせんかい!」
教訓:日本式の湾曲した言い方は相手をいらいらさせるだけ。ズバッと言わないと理解してもらえない。
その三
ドイツ人の友人に聞かれました。
日本から来ている同僚が帰国することになり、その同僚から「日本に来たらぜひうちに寄ってください」と言われたそうです。そこで質問。
「同僚から招待されたんだけど、行ってもいいかな?」
よく聞くと、友人とその同僚とはあまり話もしない関係だったようで、これは明らかに社交辞令。
「それは日本式の挨拶だから、行かないほうがいいよ」
「やっぱり。くろろに聞いてよかったよ」
その同僚に関する質問はまだ続きます。
「お別れ会をしてあげることになって、彼に日時を言ったら Ja と言ったのに、その日に来なかったんだ」
あれあれ、せっかくみんながお別れ会をしてくれたのに、行かなかったら大変な失礼になりますよ。
その同僚、普段でもドイツ語がいまいちだったようで、せっかくのお別れ会の話も全然分かってなかったようです。後日に職場に来ても、何も言わなかったそう。
「その人、あなたが言ったことを全然理解できなかったんだよ」
「やっぱりそうか。でも、Ja って言ったのに・・・」
教訓:海外で日本の習慣は知られていません。社交辞令は誤解を招くのでやめましょう。そして、分らなければ「え、なんて言ったの?」と聞きましょう。分らないことを聞くのは恥ではありません。そのあとで起きる問題のほうがよっぽど深刻です。
その四
ある会社のクリスマスパーティーの席で、会社員がする劇がありました。
日本からの同僚が奥さんとその劇を一緒に見ていたのですが、その人が奥さんにぽつりとこぼしました。
「あれ、俺だ」
その劇の中で、何を言われてもにこにこして「Ja」としか言わない人物がいたそうで、その同僚はすぐピンと来たそうです。
私が初めて海外にでた時も似たことがありました。
テイクアウト用のファーストフードを買った時、店員が何か聞いたのですが、理解できなかった私は曖昧な笑みを浮かべてイエスと答えました。とたんに店員の顔が軽蔑の表情に変わりました。
教訓:分らないのをごまかすために、曖昧に笑ってハイと言うのはやめよう。もう一度聞いた方がいい。
その五
日本人の友人が訪ねてきたことがあります。
こういうときはサービス精神を発揮していろいろお世話するのですが、向こうも気兼ねして遠慮することがあります。が、日本式の遠慮は時々誤解を招くことがあります。
誰もズバリ遠慮しますなんて言いません。湾曲、曖昧、いろいろな言い回しで、やんわりと表現するのが日本式。そこで相手から出てくるのは「
日本人の考えることはわからない」
お断りする時も然り。ズバッというのを敬遠する日本人の表現は、外人には意味不明、難解不可解。
かえってズバッと言うと、「OK」とあっさりした答えが返ってきます。
だいたい、絶対謝らずに自分が一番な民族に、そういう細やかな情緒をわからせようとすること自体が無益です。
教訓:日本の美徳は日本人相手に使おう。
日本で当たり前のことも、海外では不可解な日本人の行動にしか見えません。
せっかく友達ができたのに理解してもらえない、怒らせた、なんてことのないように気をつけましょう。
PR
タイトルがすごいですが、実は実話です(洒落てる場合じゃない)
イタリアの南の小国、マルタから昨日帰ってきました。
今回利用したルフトハンザは成績優秀だから大丈夫と言っていたのに、当たりを引いてしまいました。
何十回も飛行機であちこち飛んでれば確率は高くなると思いますが、旅行歴20年以上でついに体験しました。
飛行機はそれほど混んでいなく、後ろの方には空席もある状態でした。
雪を頂に乗せたアルプスの山々を眺め、短い飛行時間の割には温かい食事に喜んだのですが、食事の後に機長からアナウンスが・・・・・・
「飛行機に小さな問題が出たので、マルタに向かうのを止めてローマに着陸することに決定しました。どうぞ席に戻って着陸の準備をしてください。大した問題ではありませんので、どうぞ安心してください」
って、じゃあ何で緊急着陸しなきゃなんないんですか!
大きな問題だから、飛行を中断したんでしょ?
という突っ込みは、一緒に行ったダンナにしときました(苦笑)
機長が自らパニックを引き起こすような発言をするわけありませんものね。
その後飛行機は急降下を始めました。長年の飛行経験からでも、あんな急降下は経験したことがありません。恐らく、すでにローマは目の前なのに飛行機はまだ 高い高度を飛んでいたからなのでしょうが、ちらりとパニック映画のシーンが頭に浮かびました。
急激に下がる高度とともにローマ郊外の海岸がどんどん近づいて来て、私たちは緊張して窓を見つめていました。写真は、緊急着陸直前に窓から見えたローマ郊外の海岸です。
ここの近くに大きな遺跡があってねー、とダンナに説明していたのは私です(汗)
飛行機が無事に着陸したあと、機長が詳しい説明を機内に放送し始めました。
「ナビゲーターシステムの一つが機能しなくなりました。他にまだ二つシステムはあるのですが、変な臭いがしたため、マルタへの飛行を中断してローマに着陸 することに決定しました。この飛行機はこれから技師が問題点を探すため、このままローマにとどまります。乗客の皆さんは送迎バスが来ますので、ターミナル のほうでこれからの情報をお聞きください」
乗客たちが機外に出ると3台の消防車が待機していて、そのうちのひとつは飛行機事故用の特殊な消防車!
ぎくっとしますよ、あんなのが待機していると(^^;)
さて、このあと長ーいこと荷物が出てくるのを待ち、ルフトハンザの案内カウンターに行くと係員が、まだどうなるかわからないので一時間半後にまたここに来てくれと、食事券を全員に配り始めました。
ま、緊急なわけですから、飛行機をどう手配するか決めるのにも時間はかかります。乗客は食事券を手に、それぞれカフェテリアに向かっていきました。
ちょうどお昼時だったので混んでましたが、私たちはなんとかテーブルに落ち着いてローマのカフェテリアのお味を試しました。
感想は・・・・・・ピザが不味い、料理が冷たい、たいしたことない
ともかく、食事後にもう一度カウンターに行くと、今度はちゃんと報告が待っていました。
さすがはルフトハンザ、飛行機を一機準備するそうで、すぐにチェックインできるそう。
さっそく荷物を預けましたが、出発は4時間後の6時です。
私たちの飛行機はドイツからローマまで1時間半くらいかかったけど、今度の飛行機もドイツから持ってくるのかなあ?
他の航空会社の飛行機じゃなかったから、ドイツから来た確率が大きいです。
予定より6時間ほど遅れて、私たちはやっとマルタに到着することができました。
さて、帰ってきてから息子がより詳しい情報を教えてくれました。
ルフトハンザのHPで見つけたそうですが、4つあるうちの電気ジェネレーターの一つが機能しなくなったんだそうです。たぶんそのためにナビゲーターシステムも機能しなくなったのでしょう。
私たちの乗った飛行機は最後まで残った一番古いタイプの4機のうちのひとつで、そのうちに他の航空会社に売りさばかれる運命のものだったようです。
えと、それって安全なんでしょうか?
小さい会社の飛行機は確かに古いものばかりですけど、今回の事故で考えさせられました。
空は危険でいっぱいなのかもしれません。