昔と比べると、メキシコに旅行される方が増えましたね。
中米では物は盗られても命は盗られる事がないので、アメリカ合衆国よりはましと言えるかもしれませんが、荒っぽい強盗が出ることがありますので注意が必要です。
危険なルートは、メキシコシティーからアカプルコへ南下するバスと、メキシコシティーからグアテマラ国境へ向かうバスです。
メキシコシティー南部にはシルバータウンとして有名なタスコ(世界中から仲買人が、銀のアクセサリーの買い付けに来る)もありますし、有名な危険ルートです。
バス強盗に遭ったのは、2等バスに乗っていたダンナの友人です。
メキシコシティーから南下する二等バスは、道端で誰かが手を上げればいつでも停車して乗客を拾います。
それを利用した数人のギャングが手を上げてバスを止め、バスに乗り込んでくるなり武器を乗客に向けました。
乗客たちに金目のものを差し出せと威嚇する声を出したリーダーの下、手下たちは手際よく乗客たちの間を回っていきました。
あるメキシコ人女性は自分のしているイヤリングを出せといわれ、耳から外そうとしていると、待つことをしないギャングに耳からイヤリングを引きちぎられ、激痛に声を上げて泣いたそうです。
ダンナの友人は偶然、1ドル札を30枚ほど束にしてビニール袋に入れたものを見につけていました。
見た目に分厚いその札束を差し出した友人は、それ以上要求されることはなかったそうなのですが、友人の後ろの座席で熟睡していたオーストラリア人は正反対の目に遭いました。
バスの異変にも気付かずに完全に熟睡していた彼は、荒っぽいギャングの一人に頭を武器で思い切り殴られて目を覚まされました。その上金目のものを身に付けていなかったために、横に置いてあった荷物をすべてギャングたちに奪われました。
バックパックをバスの中に持ち込んでいたのが、ここでは災いしました。
ギャング団がバスを去った後にようやく目的地に着いた彼は、デイパックもなしの完全なる手ぶら。
すぐに銀行でお金を引き出さなければ、身動きが取れません。
ダンナの友人とともに銀行に向かった彼はしかし、銀行の入り口で待ったをかけられました。
服を着替えてから来てくれと言われた彼は、殴られた頭から流れた血が固まり、Tシャツは血だらけで、見た人が全員引きそうな姿だったのです。
ところが、完全に引いている警備員を前に「この服しか持ってないんだけど」と言った彼の手に握られていたのは、なんとVISAのゴールドカード。
警備員もそのまま通してくれたそうです。
メキシコで長距離移動するときは、一等のExpress Busを使えばリスクがありません。
危険なルートは南部ルートなのも頭に入れて、対策をたててください。
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