ダンナが1か月もの長い刑務所生活から解放された後のことです。
素朴で親切な人の多いグアテマラで、55カ国以上を彷徨ったベテランのダンナが賊の手に落ちました。
ある町で知り合ったグアテマラ人達とコーヒーを飲んでいたそうなのですが、その後の記憶がぷっつりと途絶えています。
薬の入ったコーヒーを飲まされたダンナはすごく眠たくなって、そのままそこで寝入ってしまったのです。
起きたら当然、ダンナは一人。
そして当然、物がなくなってる。
パスポートに財布、車の書類まで消えうせていました。
財布にはその日に使う分だけの小銭が入っていましたから、大したことはありません。
ダンナが愛用しているマネーベルトには、賊は気付かなかったようです。
パスポートは領事館で再発行してもらえます。
しかし、車の書類には困りました。
賊は手早くダンナの懐を探って、目についたものを素早く抜き去りました。
恐らく、書類に目を通すなんてことはしなかったでしょう。
必要のない車の書類なんて、ごみ箱行きです。
ダンナは車を売って帰独しようとしていたところだったので、書類は絶対に必要でした。
その後大分苦労して、なんとか一人のグアテマラ人に車を売ることができたそうですが、これは第3諸国だったからできたことです。
今まで親切な人ばかりだったグアテマラでの思いもかけぬ事件に、私は少なからず驚きました。
インドの賊が毒薬を飲ませて身ぐるみ剥ぐのは有名ですが、まさか素朴なグアテマラでこんなことがあるとは。
どこにでもそういう輩がいるということは、肝に銘じておきましょう。
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